金曜日, 6月 18, 2010

Benika dan DDH

「先天性股関節脱臼」

股関節がずれたり、外れたり、などの脱臼の症状を起こす病気で、
完全に外れている完全脱臼、関節が外れかかっている亜脱臼、
股関節の屋根に当たる部分の発育が悪い股関節臼蓋形成不全、の3種類がある。

一般的に、先天性股関節脱臼は 女児 に多く、男児の約10倍の頻度で起こる。
また遺伝性があるといわれている。

我が国において、以前は先天性股関節脱臼の発生率は2%程度であったが、
オムツや意識の変化などで現在では 0.2~0.3% と推定されている。

先天性股関節脱臼を発症した赤ちゃんを出生した月別に検討すると、
6月が最も少なく、11月から2月の 冬場 に産まれた赤ちゃんに発生率が高い
事が明らかになっている。これは寒い時期には赤ちゃんに 厚着 をさせるため、
下肢の自由な運動が妨げられている事が影響していると考えられる。

先天性股関節脱臼が発見されるのは3~4ヵ月の乳児健診の時が最も多い。

赤ちゃんは脱臼が起きても、痛みもなく、泣いて訴えるという事はない。

痛みはないが、放っておくと関節が変形する事もある。

一般的には、左右の太もものシワの数などで、気付かれる事が多い。


症状 としては、

・膝を曲げた状態で股を拡げた時に股関節にポキポキ、コリッという音がする。
・両足を曲げて、膝が外側を向くように拡げてみると、開きが悪い。
・両足を揃えると太もも・お尻の シワの数が左右で違う。
 左右の足の長さが違う。
・歩き始めが遅い。足を引きずるように歩く。


なお、両側とも脱臼がある場合は、これらの症状は、はっきりしない。


『先天性』 という名がついているが、9割以上は後天的なものである。
生まれた時、既に脱臼が完成している場合は少ない。

生後間もない赤ちゃんを裸にしてあおむけに寝かせてみると、
膝を曲げ、股を開いてカエルのような格好をしている。
股を中心に M字形 になっている、このスタイルが赤ちゃんにとって
一番無理のない、自然な姿勢 である。

赤ちゃんはもともと関節が緩いので、股関節も外れ易く、無理に真っすぐに
させたり、この姿勢を妨げるような形のおむつ・衣類を付ける事で、
股関節の脱臼が起こりやすくなる。

新生児時から股関節を自然な格好に保つ事で、ある程度は脱臼が予防出来る。

http://cyberkidsclinic.blog51.fc2.com/blog-entry-304.html
股関節脱臼かどうかはレントゲン写真撮影で解る。

超音波による先天性股関節脱臼の診断も拡まってきていて、
まだ骨に成長せず軟骨が殆どの乳児には有効な診断法である。

早くに見つかった軽度の脱臼・脱臼が疑わしいという程度の場合は、
当面、おむつの当て方・赤ちゃんの抱き方に気を付ける。

オムツ変えの時は赤ちゃんの両足首を持って持ち上げたりせず、
おしりの下に手を入れて腰から全体を持ち上げるようにする。

完全脱臼の場合・オムツ・抱っこの注意だけでは治らない場合は、
治療用の装具をつける。

この装具は、『リーメンビューゲル』 といい、簡単なバンドを肩から
足にかけてつるし、自然に脱臼が治るように工夫されたものである。
装着期間は平均3~4カ月で、生後3~6カ月の間にこれをつければ、
関節がはずれかかっているだけの亜脱臼で100%、完全脱臼でも90%が治る。

装具をつけてもよくならない場合は、牽引といって、足を引っ張る治療をする。

それでも治らない場合は手術が必要になるが、頻度は低い。

歩き始めてからの治療は一般に難しく手術が必要になる場合も少なくない。